コワーキングスペースとは?企業が利用するメリットや活用方法

近年、働き方の多様化に伴い、「コワーキングスペース」という言葉を耳にする機会が増えました。フリーランスやスタートアップだけでなく、大企業のサテライトオフィスとして導入する事例も増加傾向にあります。
この記事では、企業が利用するメリット、そして具体的なワーキング事例までを詳しく解説します。
「スペース」の有効活用を検討されている企業の担当者様にとって、最適なオフィス環境導入の方法を見つける一助となれば幸いです。
目次
コワーキングスペースのメリット
近年、働き方の多様化やリモートワークの定着が進み、企業はオフィス環境に対し、従来の固定観念にとらわれない柔軟な視点を持つようになりました。こうした変化の中で、コワーキングスペースは単なる一時的な作業場所ではなく、企業の事業運営に大きなメリットをもたらす戦略的な選択肢として注目を集めています。
企業がコワーキングスペースを利用することで得られるメリットは多岐にわたります。具体的には、次の点が挙げられます。
- 初期投資やランニングコストを大幅に抑えながらオフィス機能を利用できること
- 高品質な通信環境や会議室といった充実した設備をすぐに活用できること
- 多様な業種の人々との交流を通じて新たなビジネスの繋がりやアイデアが生まれること
次の項目からは、これらの具体的な利点について詳しく解説していきます。
低コストでオフィスを利用できる
コワーキングスペースの大きな魅力は、オフィス開設にかかる初期費用を大幅に削減できる点です。一般的な賃貸オフィスを契約する場合、敷金、礼金、保証金、仲介手数料などが発生し、都心部では100万~300万円といった高額な初期費用が必要となることがあります。しかし、コワーキングスペースではこれらの費用が不要か、月額利用料の1~2ヶ月分程度に抑えられるケースが多く、初期費用は平均で約1.3万円、中央値は0円と非常に手頃です。
月々のランニングコストについても、水道光熱費、インターネット通信費、オフィス家具、複合機利用料などが月額料金に含まれていることが一般的です。これにより、個別に契約する手間や費用を削減できます。都心のコワーキングスペースの月額利用料は、フリー席で5,000円~5万円、固定席で2万円~と設定されており、小規模な賃貸オフィスと比較しても経済的な選択肢となるでしょう。例えば、渋谷の1人用レンタルオフィスであれば月額4万~8万円程度で利用可能です。
オフィスに必要な設備が整っている
コワーキングスペースは、業務に必要な設備が完備されているため、入居後すぐにビジネスを始められる点が大きな利点です。具体的には、以下のような設備が整っており、パソコン一台あればすぐに作業に取りかかれます。
- 高速Wi-Fi
- 安定した電源
- 快適なデスクと椅子
- プリンター、コピー機、スキャナーなどの複合機
他企業やフリーランスとの繋がりを作りやすい
コワーキングスペースの大きな魅力の一つは、多様な業種や職種の企業やフリーランスが同じ空間で作業することで、自然なコミュニケーションが生まれる環境です。普段接点のない異業種の人々との出会いや交流の機会が豊富にあります。
多くのコワーキングスペースでは、利用者間の交流を促進するため、定期的にイベントやセミナーが開催されています。これは、人脈を広げる絶好の機会となるでしょう。例えば、参加者同士が直接顔を合わせる交流会や、専門家によるビジネストレンドセミナーなどが開かれています。こうした場を通じて、コワーキングスペースでの交流がもたらす具体的なメリットは次のとおりです。
- 新たなビジネスチャンスの創出
- 業界を超えたパートナーシップの構築
- 有益な情報交換
- 新しいアイデアや創造的な解決策の発見
特に、スタートアップ企業や新規事業の担当者にとっては、普段出会えない専門知識を持つ人や、潜在的な協業パートナーとつながる貴重な場となるでしょう。利用者同士の協力により成果が生まれることで交流がさらに促進され、上記のようなメリットを享受する機会が増えます。
コワーキングスペースのデメリット
コワーキングスペースは多くの魅力的なメリットを持つ一方で、利用を検討する際には注意すべきデメリットも存在します。共有オフィス環境に特有の作業環境に関する課題、セキュリティ面の懸念、そしてプライバシーの確保といった点は、事前に把握しておくべき重要な要素です。
具体的には、周囲の雑音が集中力を妨げる可能性、オープンな空間であるがゆえの情報取り扱いにおけるリスク、個室が少ないことによるプライベート空間の不足などが挙げられます。
以下に、コワーキングスペース利用時に考慮すべき主要なデメリットをまとめます。
| 分類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 作業環境 | 周囲の雑音による集中力低下、偶発的な交流が不要な作業の妨げになる可能性など |
| セキュリティ面 | オープンな空間での情報漏洩リスク、共有ネットワーク利用時のデータ保護など |
| プライバシー | 個室の少なさによるプライベート空間の不足、電話会議などでの周囲への配慮など |
これらのデメリットを理解し、自社の働き方や業務内容に合致するかどうかを慎重に判断することが、コワーキングスペースを最大限に活用するための鍵となるでしょう。
周りの雑音が気になる場合がある
コワーキングスペースはオープンスペースが基本となる場所が多く、周囲の雑音が気になる場合があります。他の利用者の会話、電話、ウェブ会議の音声、キーボードのタイピング音などが聞こえやすい環境であり、集中力に影響を及ぼす可能性があります。特に、企画書の作成やプログラミングのように静かな環境で集中して取り組みたい作業では、周囲の音が気になって生産性が低下してしまう恐れもあります。
セキュリティ面でリスクがある
コワーキングスペースは不特定多数の利用者が行き交うオープンスペースであるため、セキュリティ面で潜在的なリスクがあります。
まず、パソコンの画面を他人に見られる「ショルダーハッキング」や、電話・ウェブ会議の内容が周囲に聞かれることによる機密情報の漏洩が挙げられます。
また、多くの施設で提供される共有のWi-Fiは、暗号化が不十分な場合があり、通信内容を傍受される危険性や、正規のネットワークに偽装した「Evil Twin攻撃」といったサイバー攻撃を受けるリスクも指摘されています。さらに、離席時にノートパソコンやスマートフォン、重要書類をそのままにしておくと、盗難や紛失のリスクが高まります。暗号化されていないUSBメモリーや外付けHDDの置き忘れは、重大な情報流出につながる可能性も否めません。
これらのリスクを軽減するため、企業としてコワーキングスペースを利用する際は、以下の対策が不可欠です。
・VPN接続の義務化
・離席時のパソコンロックの徹底
・従業員へのセキュリティ教育
個室がないコワーキングスペースもある
コワーキングスペースは、多くの場合オープンスペースを基本としており、利用者同士の交流を目的とした共創の場とされています。そのため、プライバシーを確保できる個室が十分に用意されていない場合があるため、注意が必要です。自分だけのプライベート空間を持てない場合、Web会議や電話での会話内容が周囲に聞こえてしまう可能性があります。
これにより、機密性の高い業務で情報漏洩のリスクが生じたり、周囲に配慮しながら話す必要があったりするといった課題が生じるでしょう。実際に、利用者の声として、電話やWeb会議の騒音問題が指摘されることもあります。このような環境では、集中して作業を進めたい場合や、重要な商談で音声による情報伝達が必要な際に不便を感じるかもしれません。
コワーキングスペースをうまく活用しよう
これまでコワーキングスペースのメリットとデメリットについて解説してきましたが、その効果を最大限に引き出すためには、自社の利用目的を明確にすることが不可欠です。漠然とした利用ではなく、「コスト削減」「働き方の多様化の実現」「事業拡大に向けた拠点確保」といった具体的な目標を持つことで、最適な施設選びと効果的な活用が可能になります。
企業がコワーキングスペースを活用する具体的なシーンとしては、以下のようなケースが考えられます。
・サテライトオフィスとしての活用:本社とは異なる地域に拠点を設け、地方在住の従業員や遠隔地の顧客対応を効率化します。これにより、従業員の通勤負担軽減や新たな人材確保にもつながります。
・プロジェクト単位での短期利用:特定のプロジェクト期間中のみ、専門チームが集中して作業できる場所として利用します。柔軟な契約が可能なため、期間限定のプロジェクトに最適です。
・スタートアップ企業の初期拠点:初期投資を抑えつつ、法人登記可能な住所として利用し、ビジネスの信頼性を高めます。都心の一等地にある施設を選べば、企業イメージ向上にもつながるでしょう。
コワーキングスペースを導入する際は、従業員が安心してスムーズに利用できるよう、事前に社内ルールを整備しておくことも推奨されます。セキュリティポリシー(VPN接続の義務化や離席時のパソコンロック、機密情報の取り扱いに関するルールなど)の策定、経費精算の方法、利用時間や予約に関するガイドラインなどを明確に定め、従業員に周知徹底することで、トラブルを防ぎ、生産性の高い働き方を実現できるでしょう。
リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場)
について知りたい方は、まずは







