社内イベントは本当に不要?費用対効果と開催意義を解説

あなたの会社の社内イベント、盛り上がりに欠けていませんか?「イベントってなんだろうか…」と感じている方もいるかもしれません。費用もかかるし、準備も大変。しかし、社内イベントが成功すれば、社員のモチベーション向上やチームワークの向上に繋がり、社内の一体感を醸成するものです。本記事では、社内イベントの意義を改めて見つめ直し、費用対効果を高めるためのヒントを解説します。

なぜ社内イベントは「いらない」と言われるのか?

近年、「社内イベントは本当に必要なのか?」という声を聞くことが増えました。その背景には、参加者である従業員が感じる様々な負担や疑問があります。特に、長時間拘束されることへの抵抗感や、イベントにかかる費用対効果への懐疑的な味方が挙げられます。また、毎回同じような内容ではマンネリ化し、参加する意義を見出せない、と感じるケースも少なくありません。

時間的拘束や業務への影響から参加を躊躇う

社内イベントへの参加を躊躇う理由の一つに、時間的な拘束が挙げられます。特に業務時間外に開催される場合、従業員からは「自分のプライベート時間を会社に拘束されるのは嫌だ」と言う声が聞かれます。ワークライフバランスを重視する価値観が広がる現代において、業務時間外のイベント参加は、自由な時間を大切にしたと考える従業員にとって負担となりやすいのです。

また、たとえ業務時間内に開催される場合でも、その時間分の業務が滞るのではないかという懸念が生じます。イベントの準備や参加に時間を割くことで、担当業務が遅延したり、周囲のメンバーに迷惑をかけてしまう可能性を不安に感じる従業員もいるでしょう。イベント参加が直接的に残業や休日出勤の増加につながるケースもあり、こうした負担感や不満が参加への消極的な姿勢につながる要因となります。

費用対効果への疑問:コストに見合う成果はあるのか

社内イベントの開催には、会場費や備品、飲食費など、様々な直接的な費用が発生します。しかし、それによって得られる成果、例えば従業員の満足度向上やコミュニケーション活性化といった効果は、売上のように明確に数値化しにくい性質のものです。このため、投じたコストに対して、どれだけの成果が得られたのかという費用対効果(ROI)を具体的に示すことが困難な場合があります。

成果が数値化しにくい性質上、特に経営層やイベントに関心の低い従業員からは、「本当にコストに見合う効果があるのか」と開催意義自体を問われることがあります。また、イベントの企画、運営、そして参加にかかる従業員の労働時間も、本来業務から割かれる時間としてコストと捉えることができます。

マンネリ化と形骸化

毎年同じ時期に、毎年同じような内容で開催される恒例の社内イベントは、マンネリ化しやすい傾向にあります。参加する社員側からすれば、次に何が起こるか展開が予測できてしまい、新鮮味を感じにくい状況が生まれます。こうした状態が続くと、イベント自体が単なる「やらされ感」のある行事となり、本来の目的や開催意義が社員に伝わりにくくなるのです。

結果として、イベントに参加することが目的化し、惰性で参加している社員が増えてしまうといった「形骸化」を招く可能性があります。イベントが盛り上がりに欠け、会話も弾まないような状況では、参加している社員はイベントの価値や意義を感じられず、「参加しても意味がない」と感じるようになるでしょう。このように、マンネリ化と形骸化は、社内イベントが不要だと感じられる大きな理由の一つと言えるでしょう。

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社内イベント開催の真の目的と期待できる効果とは?

「なぜ社内イベントはいらないのか?」という疑問がある一方で、企業が依然として社内イベントを開催する理由や、そこから得られるメリットに目を向けてみましょう。社内イベントの真の目的は、単なる娯楽や交流の機会提供にとどまりません。企業文化の醸成や、従業員の組織へのエンゲージメント向上といった、組織にとって重要な本質的な価値を生み出すことにあります。

具体的には、部署を超えたコミュニケーションの活性化や、チームワークの強化、従業員のモチベーション向上などが期待できます。また、企業理念やビジョンの共有・浸透を図る場となり、従業員のスキルアップや新たな才能発見のきっかけにもなり得るでしょう。

コミュニケーション活性化とチームワーク強化

社内イベントがもたらす効果の中でも特に重要視されるのが、コミュニケーションの活性化とチームワークの強化です。日常業務では接点が限られる他部署の社員や異なる役職のメンバーとも、イベントを通じて自然な形で交流する機会が生まれます。共通のレクリエーションやワークショップなどを共に体験することで、普段見せない一面を知り、相互理解を深めることができるでしょう。

イベント中のリラックスした雰囲気は、肩書きにとらわれずに本音を話しやすい空気を作り出し、風通しの良い職場環境づくりに貢献します。また、チーム対抗のゲームや共同で課題に取り組む企画は、参加者同士が協力し合うことの重要性を再認識させ、部署内のチームワーク向上はもちろん、部門間の連携促進にもつながります。

従業員のモチベーション向上とエンゲージメント向上への貢献

社内イベントは、日々の業務とは異なる特別な時間を提供することで、従業員の気分をリフレッシュさせ、仕事への新たな活力を生み出す機会となります。非日常的な体験や楽しい企画は、マンネリ感を打破し、仕事への意欲を再び高める効果が期待できます。また、イベントの中でチームとして目標を達成したり、自身の隠れた才能を発見したりする経験は、個人の自信を高めるだけでなく、組織への貢献意欲、すなわちエンゲージメントの向上にもつながります。従業員エンゲージメントは、会社に対する「貢献したい」という主体的な意欲や、「信頼」、「愛着」の度合いを示す重要な指標です。

企業理念やビジョンの共有と浸透

社内イベントは、単に楽しい時間を過ごすだけでなく、企業が大切にする価値観や目指す方向性を従業員へ伝える重要な機会となります。経営層からのメッセージ発信に加え、創業時の想いを共有したり、ビジョン達成に向けたワークショップを実施したりすることで、企業理念やビジョンを「体感」できるプログラムを組み込むことが有効です。例えば、森永乳業の『Morinaga Milk Awards』のように、理念や行動指針を体現した社員を表彰することも、具体的なロールモデルを示す上で効果的といえます。

従業員のスキルアップや新たな才能発見の機会

社内イベントは、日々の定型業務から離れ、従業員が新しい知識やスキルを習得する貴重な機会となり得ます。普段経験できないような企画や実践的なワークショップを通じて、ビジネススキルはもちろん、デザイン思考やプログラミングといった専門性の高い分野に触れることも可能です。これにより、仕事への刺激が生まれ、特に業務にマンネリを感じている従業員にとっては、さらなる成長への意欲を引き出すきっかけとなるでしょう。

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参加したくなる魅力的な企画と効果

社内イベントを成功させるには、従業員が「参加したい」と感じる魅力的な企画が重要です。実際にどのようなイベントが効果を上げているのでしょうか。ここからは、様々な企業の成功事例から、企画のポイントと効果を見ていきましょう。

【他部署交流促進】チームビルディングイベント:部門間の壁を取り払う

普段の業務では関わる機会の少ない異なる部署のメンバー同士の交流を深める上で、チームビルディングイベントは有効な手段です。共同で課題に取り組むワークショップ形式や、チーム対抗のゲーム形式など、多様な企画が可能です。こうしたイベントに参加することで、普段の肩書きや役割から離れ、参加者一人ひとりの個性や人となりを知る機会が生まれます。

イベントを通じて、部門の垣根を越えた社員間の相互理解が促進され、新たな人間関係が構築されることで、コミュニケーションが活性化します。これにより、業務上の連携がスムーズになったり、部署横断での新しいアイデアが生まれやすくなったりといった効果が期待できます。イベントを成功させるためには、参加者が自然に協力し、交流が生まれるようなチーム編成やアクティビティを選定するなど、事前の周到な企画設計が重要となります。

【成果の可視化】社内表彰式:頑張りを認め合いモチベーションアップ

社内表彰式は、従業員一人ひとりの努力や優れた成果を公に称賛し、可視化する効果的なイベントです。年間MVPや新人賞、特定のプロジェクト達成賞など、明確な評価基準に基づき選出された社員を全社の前で表彰することは、本人にとって大きな自信と誇りにつながります。これは受賞者のモチベーションを飛躍的に向上させるだけでなく、他の従業員にとっても「次は自分も」という前向きな刺激となり、目標設定の指針となるでしょう。

【参加のきっかけ作り】美味しい食事や飲み物の提供:気軽な交流を促進

社内イベントへの参加を促す有効な手段の一つに、美味しい食事や飲み物の提供があります。これは、イベントへの心理的なハードルを下げ、「食事が楽しみだから行ってみよう」という参加のきっかけを作り出します。美味しいものを共に囲む時間は、自然と会話が生まれやすいリラックスした雰囲気を作り出し、普段業務で関わりの少ない部署や役職の従業員同士でも、肩の力を抜いて交流できる機会となります。

食事や飲み物は単なる提供物ではなく、イベントそのものを盛り上げ、参加者の満足度や印象に大きく影響を与える要素です。そのため、参加者の嗜好に合わせた質の高いものを選ぶことが重要です。また、本格的な食事でなくても、休憩スペースに軽食やドリンクを用意するだけでも効果があります。こうした場は、従業員が気軽に立ち寄って偶発的なコミュニケーションを図る機会となり、部門を超えた自然な交流を促進するでしょう。このように、美味しい食事や飲み物の提供は、イベントを成功に導くための重要な鍵となります。

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社内イベントを成功させ、費用対効果を高めるための実践ポイント

社内イベントが「コストに見合わない」「不要だ」といった声に直面することもあります。しかし、単なる福利厚生や娯楽ではなく、組織の成長に繋がる「投資」と捉え、戦略的に企画・実行することで、その費用対効果を大きく高めることが可能です。効果的な社内イベントは、従業員のエンゲージメント向上や組織文化の醸成に寄与し、長期的な視点で見れば企業の成長基盤となります。

開催目的の明確化:「何のためにやるのか」を全社で共有

社内イベントを成功に導く最初のステップは、その開催目的を明確に定めることにあります。「何のためにイベントを実施するのか」という根本的な問いに答えることで、イベント全体の方向性が定まります。目的が曖昧なまま進めてしまうと、企画内容が定まらず、リソースの無駄遣いにつながる可能性があります。従業員満足度の向上、部門間の連携強化、企業理念の浸透など、達成したい具体的なゴールを設定することが重要です。

従業員のニーズ把握:アンケートやヒアリングで参加したい企画を

社内イベントを成功させ、参加率と費用対効果を高めるためには、開催側の意向だけでなく、参加者である従業員の「本音」やニーズの把握が不可欠です。従業員がどのようなイベントを求めているのか、どのような形式なら参加しやすいのかを知ることで、より従業員に響く企画立案が可能になります。ニーズ把握の方法としては、匿名でのWebアンケート、少人数のグループインタビュー、個別のヒアリングなどが考えられます。匿名アンケートは多くの意見を収集しやすい反面、深い掘り下げが難しいという側面があります。一方、インタビューやヒアリングは、従業員の詳細な意見や潜在的な要望を引き出しやすいメリットがある一方で、時間と労力がかかるというデメリットがあります。

従業員のニーズを適切に捉えるためには、以下のような質問項目を設定することが有効です。

  • 希望するイベントの種類(例:懇親会、運動会、文化活動、ワークショップなど)
  • 参加しやすい開催時期や時間帯(平日業務時間内・後、週末など)
  • イベント参加における懸念点(時間的負担、内容への興味、人間関係など)

これらの意見を収集・分析することで、従業員が本当に参加したいと思える企画へと繋がり、イベントへの当事者意識を高めることにも貢献します。集まった意見は単に集計するだけでなく、その背景にある従業員の想いを読み解き、具体的な企画内容に反映させていくプロセスが重要です。

魅力的なコンテンツ企画:参加者目線でのプログラム作り

従業員のニーズを把握した後は、いよいよ具体的なコンテンツ企画の段階です。社内イベントへの参加を「義務」ではなく「楽しみ」と感じてもらうためには、参加者の興味や関心を強く引きつけ、思わず「行きたい」「参加したい」と感じるような魅力的なプログラムを企画することが極めて重要です。先に実施したアンケートやヒアリングで得られた従業員の率直な意見や希望を深く分析し、その結果を企画内容にダイレクトに反映させましょう。例えば、交流の機会を求める声が多ければチーム対抗のゲームや交流タイムを多めに設ける、スキルアップに関心が高ければ著名な外部講師を招いた体験型ワークショップを企画するなど、ニーズに合致したコンテンツは、参加意欲を大きく高める効果が期待できます。

参加者を引きつける独創性やエンターテイメント性のある企画アイデアとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • チーム対抗で取り組む謎解きゲーム
  • 部署を超えたメンバーで新しいアイデアを生み出すワークショップやアイデアソン
  • 社員の隠れた才能を発見する社内コンテスト

これらの企画は、参加者が主体的に関われる仕掛けを取り入れることで、楽しさと学びを同時に提供することができます。また、常に新鮮な驚きを提供し、プログラムのマンネリ化を防ぐためには、過去のイベントを参考にしつつも、時代のトレンドや社員の関心の変化に合わせて新しい要素を積極的に取り入れる工夫が求められます

効果測定とフィードバック:次につながる振り返りの実施

社内イベントの効果を最大限に引き出し、次回の開催に活かすためには、イベント終了後の効果測定と適切なフィードバックが不可欠です。具体的にはまず、参加者へアンケートを実施し、イベント全体の満足度や各コンテンツへの評価、良かった点、改善点などを率直に収集します。アンケートは、回答者の負担を軽減するために設問数を調整し、匿名性を確保するなどの工夫が有効です。

収集したアンケート結果に加え、運営側で気づいた課題や反省点も踏まえ、客観的に分析・評価します。参加者の生の声と運営側の所感を照らし合わせることで、イベントの成果と課題がより明確になります。この評価結果を踏まえ、次回のイベントに向けて具体的な改善策や、好評だった点を継続・発展させるための企画立案を行います。効果測定とフィードバックのサイクルを回すことで、イベントの質は継続的に向上し、結果として従業員の満足度向上や費用対効果の最大化に繋がるでしょう。

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