夏に急増!賃貸物件トラブルと管理会社のプロ対応

今回は、夏によくあるトラブル5選と、それに対する不動産管理会社の対応・対策をまとめました。

暑さと湿気が引き起こす住まいのリスクと、その未然防止策とは

夏の賃貸物件管理は、1年の中でも特に神経を使う時期です。気温と湿度の上昇により、建物設備や住環境にさまざまな不具合が出やすくなり、入居者からの問い合わせやクレームも一気に増加します。

特に、以下のような傾向が見られます:

・エアコン不調による問い合わせが急増(6月中旬〜8月)

・害虫・カビ・異臭など、衛生・生活系トラブルの発生

・夏特有の“騒音問題”や生活マナーのクレーム

こうしたトラブルに対して、管理会社としては「事後対応」だけでなく、「事前にどれだけ対策を打てているか」が問われます。今回は、夏場に多いトラブルをケース別に整理し、管理会社としての理想的な対応と、現場で実践したい予防策を詳しくご紹介します。

エアコンの不具合は“問い合わせ件数No.1”

夏の定番クレームといえば、エアコン。入居者からは「まったく冷えない」「水漏れして床が濡れた」「カビ臭い」など、さまざまなトラブル報告があります。特に猛暑日が続く7月中旬〜8月上旬は、1日数件レベルで問い合わせが重なることも。

管理会社の対応

・症状をヒアリングし、フィルター清掃やリモコンの電池など基本事項をまず確認

・備え付け設備であれば管理側の責任で迅速に修理・交換対応

・一時的に冷風扇・ポータブルクーラーなどの貸し出しを検討する例も

・入居者所有の場合は「設備対象外」であることを丁寧に説明

予防の取り組み:

・毎年5〜6月に「エアコン試運転チェックのお知らせ」を全戸配布

・動作不良の早期報告を促し、修理依頼の集中を回避

・設置から10年以上の機種は、オーナーに交換提案を出しておく

南海トラフ地震に備える!管理会社が取るべき対策と準備

害虫・衛生系トラブルは夏の“衛生管理力”が試される

ゴキブリ、蚊、ハエ、ダニ、そして見逃せないのがシロアリ。夏場は害虫にとって最適な繁殖時期であり、入居者から「夜中にゴキブリが出た!」「シロアリが床から湧いてる!」といった緊急連絡が入ることもあります。

管理会社の対応

・室内害虫(ゴキブリ等)は基本的に入居者管理(自己対応)と伝える

・建物構造や床下、配管に原因がある場合は調査→業者手配

・共用部(ゴミ置場・排水溝等)は清掃・駆除対応

予防の取り組み

・6月初旬に「害虫予防チラシ」と防虫対策グッズの案内を配布

・建物周辺の雑草除去、ゴミ置場の巡回清掃を強化

・過去にシロアリ被害の出た物件は定期点検・防除施工を提案

カビ・湿気による健康被害の訴えも

「押し入れの中がカビ臭い」「壁紙に黒い点が出てきた」「子どもの喘息が悪化した気がする」など、湿気に関するトラブルは夏特有。構造や断熱材に起因するカビの場合、長期的な改修が必要になることも。

管理会社の対応

・換気頻度・室内環境・家具配置などをヒアリング

・入居者の生活習慣に原因がある場合は改善指導

・建物の構造的問題(結露、換気不良など)が疑われる場合は、専門業者の調査を手配

予防の取り組み:

・除湿方法、通気の確保、家具配置の注意点を盛り込んだ「カビ予防ガイド」を配布

・冬場からの結露履歴を管理し、夏前にオーナーと対策相談

・高湿度エリア(北向き・角部屋・築古木造)には換気扇の強化を提案

排水トラブルは“臭い”で顕在化する

夏になると、「台所のシンクから異臭がする」「浴室の排水があふれそう」「洗濯機の排水が詰まった」といった“排水・異臭クレーム”が増加。原因の多くは水封の乾燥や油・髪の毛の蓄積です。

管理会社の対応

・電話でトラップ(水封)の説明と、水を流すよう案内

・詰まり・臭いが続く場合は、専門業者による配管洗浄を手配

・原因が入居者の使い方か、建物側かで費用負担を判断

予防の取り組み

・「排水の正しい使い方と異臭の防ぎ方」チラシを夏前に配布

・長期空室には定期的な通水対応(スタッフ巡回)を実施

・高齢物件では、定期的な排水管洗浄のオーナー提案

騒音・生活マナーは“窓開け”シーズンに要注意

エアコン使用を避け、窓を開けて過ごす家庭が増えることで、音漏れのクレームが顕在化。「隣の子どもの声がうるさい」「深夜に音楽が聞こえる」「上階の生活音が気になる」といった苦情が管理会社に集中します。

管理会社の対応

・一次対応は「注意喚起文」のポスト投函(匿名・穏当な文面)

・再発時は個別注意、録音等の証拠を求めて正式な対応に移行

・トラブルが深刻な場合は、調停・契約解除を含めた対応も視野に

予防の取り組み

・夏前に「生活音マナー」や「夜間騒音注意」の掲示・案内配布

・騒音の多い物件には防音サッシ・カーテンの導入を検討(オーナー提案)

・トラブル履歴がある入居者・部屋は社内で共有し、注意強化

管理会社でよくあるクレーム6選

おわりに:トラブル対応は“スピード”と“予見力”が鍵

夏のトラブルは、いずれも放置すれば重大なクレームや信頼損失につながるものばかりです。だからこそ、トラブルの「芽」を早期に見つけ、的確な対処をすることが管理会社としての本領発揮の場でもあります。

管理会社が夏前に行いたいチェックリスト

・ エアコンの試運転案内と老朽機器の把握

・ 害虫駆除・共用部の清掃・防虫案内

・ カビ・除湿のガイドライン配布

・ 排水トラブルの予防チラシと通水点検

・ 騒音マナーの啓発と注意体制の整備

本記事では夏に発生する賃貸物件のトラブルとその対応についてまとめさせていただきました。今年は「問題のない夏」ではなく、「信頼される夏」をつくることを意識して乗り越えていきましょう!

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